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医療コラム2016.07.20

C型肝炎ウイルスの特効薬?!治療方針が変わるかもしれない肝疾患

※本内容は医療従事者に向けて作成された記事となっております。一般の方は自己責任においてご覧ください。なお、本記事は効果効能を謳うものではありませんので、予めご承知置き下さい。

 

2015年9月1日、肝炎ウイルスに対する画期的な薬剤が発売されました。抗ウイルス薬レジパスビル/ソホスブビル(商品名ハーボニー配合錠)と言うものですが、特にC型肝炎ウイルスに対しては95~100%と高い著効率(SVR12)を示しています。

一般的にC型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると肝炎を引き起こし、そこから慢性化した後に肝硬変、肝がんへと移行して行きます。

 

現在我が国におけるHCVのキャリア数は190~230万人と推定されており、特に40歳代以上で高くなっております。HCV は、ウイルスが血液や体液を介してヒトからヒトに感染します。そのような中でもC型肝炎ウイルスのジェノタイプ1が約7割を占めています。

 

感染した後に長い年月をかけて肝臓を蝕んでいきますが、その原因となるウイルスを排除することで肝硬変や肝がんの予防につながるというものです。

 

これまで肝炎ウイルスに対する治療と言えばインターフェロンとリバビリンの併用によって行われてきましたが、インターフェロンは副作用が強く出てきてしまう場合も多くあり、それでいてウイルスを完全に消失できないというケースもありました。この薬剤ではインターフェロン失敗例においても高いSVR12をしますことが出来ました。

 

※以下、日経メディカル【新薬】レジパスビル/ソホスブビル ハーボニー:著効率100%のC型肝炎治療薬、北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)2015/9/19引用

 

2015年9月1日、抗ウイルス薬レジパスビル/ソホスブビル(商品名ハーボニー配合錠)が発売された。適応は「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」で、1日1回1錠を12週間経口投与する。

 

 日本は、C型肝炎ウイルス(HCV)を主原因とする肝臓癌の発生率が最も高い国の一つと言われている。日本におけるHCVの推定持続感染者数は190万~230万人で、うちジェノタイプ1は約7割を占めると報告されている。

 

 C型慢性肝炎の治療としては、これまでインターフェロン製剤とリバビリン(商品名コペガス、レベトール他)の併用療法などが実施されていたが、近年、持続的ウイルス陰性化(SVR)率を向上させたテラプレビル(商品名テラビック)やシメプレビル(商品名ソブリアード)などの直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)が登場し、使用されている。

 

 2015年5月には、インターフェロン製剤を使用せずリバビリンと併用した経口製剤のみで治療が可能となった、日本初のDAAsであるソホスブビル(商品名ソバルディ)が発売された。ソホスブビルは、ヌクレオチドプロドラッグとして肝細胞内で活性代謝物に変換される。その活性代謝物のウリジン3リン酸型は、HCVの複製に関わる非構造タンパク質5B (NS5B)RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、HCVの増殖を抑制する。

 

 今回発売されたハーボニーは、1錠中にソホスブビル400mgとレジパスビル90mgを含有した、HCV RNA合成を阻害するDAAsの配合製剤である。インターフェロン製剤やリバビリンとの併用を必要としない特徴を有している。

 

 レジパスビルは、HCVの複製およびHCV粒子の形成に必須の、非構造タンパク質5A(NS5A)を標的とする薬剤である。レジパスビルと同じNS5Aを標的とするDAAsとしては、2014年9月よりNS5A複製複合体阻害薬ダクラタスビル(商品名ダクルインザ)が臨床使用されている。

 

 In vitroでソホスブビルとレジパスビルとの併用は、HCVに対して相加的な抗ウイルス作用を示し、交差耐性も認められなかったことが確認された。このことを踏まえて、配合剤であるハーボニーの国内外第3相臨床試験が実施された結果、SVR12率(投与終了から12週間後のHCV RNAが定量下限値未満の割合)100%を達成した。

 海外では、2015年7月現在、欧米をはじめとする40カ国で承認されている。国内第3相臨床試験から、副作用が21.7%認められていることに注意する。主な副作用は、そう痒感(3.2%)、悪心・口内炎(各2.5%)などであった。

 

 なお、ハーボニーの薬価は1錠8万171.30円。中央社会保険医療協議会で議論され話題となった(関連記事「C型肝炎治療配合剤ハーボニーの薬価は1錠8万円」)。また新薬は通常14日分を限度とする投薬期間の制限があるが、本薬はソホスブビルと同様、例外措置として28日分の処方が認められている。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201509/543860.html

 

一錠あたりの薬価は非常に高額です。

しかしこの薬剤によってこれまで治療の難しかったジェノタイプ1の治療に役立てることが期待できます。

 

ここからは筆者の考えとなりますが、結局肝炎ウイルスによって最終的に肝がんになってしまうと抗がん剤やその他の手段を用いて治療を行います。これはあくまでも「肝がん」の治療となります。

 

ということは肝がんになってしまった状態で肝炎ウイルスを排除したとしても肝がんが残ってしまうのではないかと考えられます。ゆえに続いて肝がんの治療によって体に負担をかけてしまうのではないでしょうか?

 

すなわち肝がんになる前に予防するということが重要となってきます。

肝炎ウイルスが増殖する際に活性酸素を生じ肝細胞に負担をかけて肝がんになってしまうということも言われておりますので、普段から活性酸素を除去してあげることで、今回のこの薬剤の本領を発揮できるのではないかと考えられます。

 

ウイルスを排除することに加えて活性酸素を除去してあげることで免疫系を活性化し、肝炎ウイルスからの肝がんの患者様たちに対してお役に立てればと考えております。

 

川上智史

著者 : 川上智史(カワカミサトシ)


北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了
医学博士
予防医学を専門とし、一般向けに予防医学に関する学術講演や各教育機関で基礎医学に関する講義を行い、予防の重要性について啓発を続ける。
また、メディカルアドバイザーとして医学的に生活習慣病の講演会などを行うことで、それぞれの生活習慣病予防に対する生活指導を行っている。
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