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川上先生の
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医療コラム2017.07.20

活性酸素は「悪」なのでしょうか?

活性酸素と言うと生活習慣病のみならずあらゆる疾患を引き起こすと言われています。

その代表的な例として「がん」が挙げられます。そのように考えてみるとやはり抗酸化は必要であることが分かります。

 

 

吸気として取り入れた酸素のうち約3%が活性酸素となると言われています。

呼吸は平均的に一分あたり15回です。そして吸気として取り入れる一回で約500mlです。

そのように考えると活性酸素が体内において多く作られることが分かります。

しかしこれはあくまでも通常の生活をしていると言う時。

ここに良くない生活習慣が加わったりするとその活性酸素はさらに多く作られてしまいます。

 

 

 

人によって異なりますが、活性酸素は組織そのものに対してダメージを与えてしまうため、組織損傷による炎症などが引き起こされると考えられます。

その結果として何かしらの疾患を引き起こすと考えられます。

 

 

活性酸素は言ってみれば身体にとってのサビです。機械がサビてしまうと動きが悪くなってしまうのと同じように人間の身体でも動きが悪くなってしまいます。

疾患とまではいかないまでも疲れやすい体になってしまう可能性も否定できません。

 

 

もっと日常生活に近づけてみてみましょう。

リンゴをむいた状態でしばらく置いておいたらどうなるでしょうか?

また、宵越しのお茶は良くないとも言われておりますが、お茶を一晩おいておくと色が変わるのが分かります。

これらの減少がまさに「酸化」と言う形になります。

酸化してしまった食べ物には抵抗があるかもしれません。

そう考えると人間の身体においても酸化は気になるところです。

だからこそ抗酸化は必要となってくると考えられます。

 

しかし活性酸素が出来るというのは何かしらの意味があるからと言う考え方をすることもできます。

活性酸素と言うとどうしても悪いところばかりクローズアップされがちですが、実は生体にとって良い働きをしてくれているということはご存知でしょうか?

 

 

オキシドールと言う消毒薬があります。

怪我をしたときに吹きかけると泡立ちますが、これは活性酸素を利用して殺菌したことの表れとなります。

 

 

体内で置き換えてみると白血球のうち貪食(どんしょく:異物を食べる)細胞が好中球やマクロファージとして存在しています。

これらは自身の体内に異物を取り込むことで、活性酸素を産生し、異物を破壊する働きを起こします。

 

 

言い方を変えると活性酸素が全くなくなってしまったら菌やウイルスにとって都合の良い環境になってしまう可能性が考えられます。

 

確かに抗酸化は必要です。

しかしあまりにも抗酸化にばかり意識をしてしまうとその他の弊害が引き起こされてしまう可能性がありますので、注意が必要です。

 

このような考え方から抗酸化は適度に行うのが良いと考えられます。

 

 

 

活性酸素は全部で4種類あります。

出典:日本抗酸化力, 病気の原因の90%が活性酸素

http://www.sodjapan.com/%E4%B8%B9%E7%BE%BD%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%8A%97%E9%85%B8%E5%8C%96/%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AE90%EF%BC%85%E3%81%8C%E6%B4%BB%E6%80%A7%E9%85%B8%E7%B4%A0%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%AC%E5%BD%93%EF%BC%9F/

 

抗酸化物質には様々な種類のものがありますが、例えばビタミンCやビタミンEを代表とするもの。

これらは確かに抗酸化力を示しますが、ビタミンCであれば一度活性酸素を除去すると自身も破壊されてしまうために、適量を摂るのが難しくなってしまう可能性が否定できません。

またビタミンEも抗酸化力を示してくれますが、脂溶性のビタミンのため、イメージとしては細胞の周りに存在する細胞膜、これ自身が脂質二重層と言う脂分で構成されているため、この周りに膜を張るようなものと考えてください。

そうすることで、活性酸素がやってきたときにビタミンEの働きによって活性酸素から細胞を守ってくれるようになると考えられています。

しかし、これが本来であれば活性酸素を使用して異物をやっつける細胞の周りに膜を張ってしまったらどうなるでしょうか?

 

当然必要な活性酸素を放出することが出来なくなってしまうために、菌やウイルスによる感染症の危険性も否定できません。

 

このような考え方から、完璧な抗酸化はお勧めできず、4種の活性酸素を適度に除去してくれる触媒作用があるような物質を摂取しての抗酸化が理想的であると考えられます。

 

適度な抗酸化を目指して規則正しい生活習慣を送ってみてはいかがでしょうか?

川上智史

著者 : 川上智史(カワカミサトシ)


北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了
医学博士
予防医学を専門とし、一般向けに予防医学に関する学術講演や各教育機関で基礎医学に関する講義を行い、予防の重要性について啓発を続ける。
また、メディカルアドバイザーとして医学的に生活習慣病の講演会などを行うことで、それぞれの生活習慣病予防に対する生活指導を行っている。
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